「パパ、浮気してるよ」
子どもからそう言われたのは、小学校の卒業が間近に迫ったある日でした。
正直、私はその言葉に驚きつつも、「やっぱり、わかってしまったか……」と、心のどこかで予感していた自分がいたのも事実です。
子どもがまだ無邪気に笑っていた頃から、私は夫の不穏な行動に気づいていました。
だけど、どこかで「もうやめてくれているかもしれない」と、淡い期待を持ち続けていたのです。
この記事では、夫の裏切りを子どもが知ってしまった日のこと、私が抱えた葛藤、そして崩れていった家族の信頼について、赤裸々に記します。
子どもが知っていた、父の浮気
「パパ、浮気してるよ……」
子どものその一言は、私の心に深く突き刺さりました。
それは、小学校6年生の3月、卒業式を間近に控えたタイミングでした。
私の中では、夫の浮気は
「たぶんそうだろうな」
と、うすうす感づいていたものの、どこかで
「もしかしたら、もうやめてくれていたら…」
と期待してしまっていた部分もありました。
子どもが「知ってる」と言ってきたとき、その淡い期待は音を立てて崩れました。
「やっぱりやってたか……」
そのとき、私と子どもの間に流れた空気は、言葉にしなくてもわかるものでした。
帰宅時間、妙なタイミングでの休日出勤――不審な点はいくつもありました。
でも、私はそれを確信に変えることを恐れていたのかもしれません。
そんな中での、子どもからの告白。
それは、私の希望的観測を一気に打ち砕くものでした。
子どもなりにずっと感じていたんだと思います。家庭の空気の変化、父親の態度、そして母親の表情――全部、敏感に受け取っていたのでしょう。
子どもの観察力は鋭く、敏感です。大人が思っているよりも、ずっと。
裏切りが1人ではなかったこと
夫の裏切りは、想像以上でした。
相手は一人や二人ではありませんでした。
浮気相手が一人だけではなかったとわかったとき、私は心の底から絶望しました。もはや「浮気」なんて軽い言葉では片づけられないほどの裏切り。
複数の女性と関係を持ち、しかもそれを隠す素振りすらない夫に対して、私は「もう救いようがない」と感じたのです。
子どもが知ってしまった事実は、ほんの一部にすぎませんでした。
実際には、デリヘルの利用、SNSを使った出会い、いかがわしい副業など……想像を超える裏切りの連続。
そのすべてが、家族としての信頼を根底から壊していきました。
子どもも、その現実を受け止めきれなかったはずです。
まだ12歳という多感な時期に、父親の不誠実な姿を知ってしまったことは、計り知れない傷になったと思います。
子どもの心の中に残った「父への思い」
表面的には淡々としていても、子どもなりにたくさん考えていたことが、言葉の端々に滲んでいました。
「女に優しくしてるんだと思うと、
自分にも優しくされるのが気持ち悪かった」
「相手の女は一人じゃないよ」
父親への信頼が崩れていく中、それでもまだ「仲の良い家族」でいたかったのかもしれません。
私に遠慮していた部分もあったと思います。
小学校卒業の節目に突きつけられた現実
卒業アルバム、最後の授業、友達との別れ――。
子どもにとって、小学校卒業は大きな節目だったはずなのに、その裏で家族の崩壊が静かに進行していたなんて、あまりに残酷です。
この時期の出来事が、のちの不調の始まりでした。