「優しい夫」と思っていました。
でも、あの言葉も、あの頼み方も、全部“私を支配するため”だったのだと気づいたのは、15年後のことでした。
生活費18万円のうち3万円は「タンス貯金」。
私のパート代からも「タンス貯金」。
自由に使えるお金はわずか月2万円。
断れば不機嫌になる夫の態度に、私は言い返すこともできませんでした。
この記事では、専業主婦からパートを始めた私が、気づかぬうちに夫の経済的モラハラに巻き込まれていた15年間の体験を綴ります。
“優しさ”の仮面に気づいた瞬間と、そこから見えてきた現実とは――。
はじめに:専業主婦だった私と、夫の「お願い」
夫の転勤に合わせて、私は5回の引っ越しを経験しました。
子育てと家事に専念する中で、約15年間、私は専業主婦として家庭を支えてきました。
その間、夫からはこう言われていました。
「手取りが少ないから、できればパートに出てほしい」
当時生活費として渡されていたのは18万円。そのうち3万円は「タンス貯金をしてほしい」と言われ、実際に自由に使える生活費は15万円。そこから食費、日用品、子どもにかかるお金など、やりくりしていました。
光熱費の負担が増えたのに、夫は気に留めなかった
当初、光熱費の一部(電気・携帯・保険など)は夫の口座から引き落とされていました。
しかし、ある転勤をきっかけに、電気・ガス・水道の契約を私名義で行うことになり、光熱費の負担が生活費に追加されました。
生活費が15万円のまま変わらないなかで、水道以外の光熱費も生活費から捻出する必要が出てきました。負担が増えたことを伝えても、夫は無関心でした。
ようやく始めたパートと、減らされた生活費
新しい土地でようやくパートが決まり、月7万円ほどの収入を得られるようになりました。
ですが、夫の対応は思いがけないものでした。
「生活費、16万円に減らすね」
「パート代から5万円、タンス貯金してくれる?」
結果、私の手元に残るお金は月に2万円。
生活費が足りない時は、タンス貯金から拝借してもいいというルールではありましたが、自由に使えるわけではなく、すべて夫の了承と収支の記載が必要でした。
「それ、もらってもいい?」の裏にある圧力
ある日、夫がこう言いました。
「メガネ代、もらってもいい?」
「タイヤ代、出してもらっていい?」
「車検代、こっちから出すね」
これらはすべて、タンス貯金からの出費でした。
「それくらい自分で出して」と言いたくても、私は言えませんでした。なぜなら、否定すると夫はすぐに不機嫌になり、ドアを乱暴に閉めて叫んだり、自室にこもって大声を出したりするからです。
私は、否定や拒否の言葉が怖くなっていました。
一見、優しい言い方。でも、それが罠だった
夫の頼み方は、一見とても丁寧です。
「これ、やってもらってもいい?」
「ちょっとお願いしてもいいかな?」
でも、その裏にあるのは、「NOと言わせない」圧力でした。
私は断れず、「嫌だ」とも言えず、「お願い」に従ってしまうのです。
そして、拒否すると不機嫌になり、最終的には私の方が「ごめんね」と謝っている――そんな関係が続いていました。
妻に確認する“優しい俺”アピールとその裏側
夫はよく人に言います。
「ちゃんと妻に確認してから決めるようにしてます」
「うちは夫婦で話し合って決めてます」
でも、それはただのポーズでした。
本当に確認してほしいようなこと、たとえば私に知られたくないお金の使い方などは、そもそも報告してきません。
周囲からは「優しそうで爽やかな旦那さん」と見られていました。
でも実際は、真逆でした。
- 優しそうに見えるけど、思いやりがない
- 爽やかに見えるけど、腹黒い
- 誠実そうに見えるけど、大嘘つき
モラハラだけでなく、常習的な“軽犯罪”も
さらに私を不安にさせたのは、夫の“感覚のズレ”でした。
- 飲み会の帰りに代行代をケチって飲酒運転
- スーパーの駐車場に深夜まで無断駐車、「駐車禁止」の紙を剥がして帰宅
私は、夫が帰宅してからこうした事実を知ることがほとんどでした。
罪悪感をまるで感じていないような言動に、「このまま一緒にいていいのか」と自分を責めるようになっていました。
「共犯者」になっていく感覚と、私のストレス
夫と暮らしていると、私までモラルの感覚が狂っていく気がしました。
見て見ぬふりをすることで、「共犯者」になってしまっているような感覚。
本当は間違っているとわかっていても、指摘すれば怒る、拒否すれば不機嫌になる。
その繰り返しが、私にとって大きなストレスでした。
おわりに:優しさに隠れた支配の正体
夫の「優しさ」は、ただの支配でした。
自分が主導権を握り、こちらに拒否の言葉を言わせないようにするための言動。
「NO」が言えない関係は、健康な夫婦関係とは言えません。
この経験を通して私は、表面だけでは見抜けない“モラハラ”の怖さを知りました。
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