小学校卒業を控えた頃、子どもは父の浮気を知ってしまいました。
それは、家庭という安心できる場所が、信頼できないものに変わってしまった瞬間でした。
中学校への進学をきっかけに、子どもの体調に異変が現れ始めました。
「朝起きられない」「頭が痛い」「気持ちが悪い」――明確な原因がわからないまま、少しずつ学校に行けなくなっていきました。
この記事では、父親の不貞行為が子どもの心と体にどう影響を与えたのか、小児科や児童精神科との関わり、学校生活への影響、そして母としてどんな対応をしてきたのかを記録として綴ります。
不調のはじまりは、中学入学直後
中学生になったばかりの春。
子どもは、父親の裏切りをより深く知ってしまいました。
ただの浮気ではありませんでした。
複数の女性との関係、風俗の利用、さらにはいかがわしい副業の存在まで――。
その事実が、子どもの心にとって、どれだけのショックだったかは想像もできません。
その頃から、子どもの様子が変わり始めました。
朝になると、頭痛や吐き気を訴え、布団から出られなくなる。
症状は日によって違い、でも共通していたのは「学校に行くのがつらい」ということでした。
無理に行かせようとは思いませんでした。
それでも子どもは、時々遅刻しながら登校し、早退してでも部活に行こうと努力していました。
その姿を見て、「甘えているわけではない」と確信しました。
必死に頑張っていたからこそ、私は医師にも、学校にも、理解を求める必要があると感じました。
「起立性調節障害なのでは?」と考えながらも、明らかに夫の不貞行為が引き金になっていると感じていました。
信頼できる小児科との出会い
最初に相談したのは、近所のかかりつけのA小児科の先生でした。
でも、コロナ禍を境に受診を制限するようになり、予約すら取れない状況が続きました。
やむを得ず、少し遠方にあるB内科・小児科を受診。
B先生は、話をじっくり聞いてくださり、子どもの変化を「ただの体調不良」ではなく「心のSOS」として捉えてくれました。
このとき初めて、医師という存在に「助けてもらえるかもしれない」という希望を持てました。
大学病院・児童精神科への紹介
B先生にも状況を改めて伝えました。
夫の行動が子どもの心と体に影響を与えていることを話すと、先生はすぐに大学病院の児童精神科への紹介状を書いてくださいました。
けれど、初診の予約は2か月待ち――。
その間も、子どもの体調は不安定なままでした。
退部を決めた理由と、奪われた楽しみ
夏休みに入る直前、三者懇談にはなんとか出席できました。
でも、体調は相変わらずで、朝起きられず部活にも参加できない日が続きました。
子どもは悩みました。
「みんなに迷惑をかけたくない」
そう言って、夏休み明けに自分で退部を決断しました。
本当に好きで、楽しみにしていた部活だったからこそ、その決断は重く、そして悲しいものでした。
勉強もできない。不登校の日々の中で
夏休み中、ドリルなどの課題は何とか終わらせていました。
けれど、夏が終わると同時に、子どもの心はぽっきり折れてしまったようでした。
「夏休み明け初日から休んだら、ずっと行けなくなるよ」
と、夫はデリカシーのない言葉を言っていました。
新学期が始まっても、子どもは学校へは行けず、机に向かう気力も失ってしまいました。
「もう、頑張れない」
その言葉を、私は口に出さずとも感じ取っていました。
現在も、不登校が続いています。
勉強の遅れ、不安な将来、そして何より、「自分は壊れてしまったのでは」という子ども自身の葛藤。
母として、私にできることは限られているけれど、見守りながら支えていくしかありません。
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